九州大学生物多様性ゾーン ~両生類編~

環境
生物多様性ゾーンのカスミサンショウウオ

九州大学伊都新キャンパスの建設にあたっては,「種を消失させない」「森林面積を減らさない」という目標を掲げ,生物多様性保全事業を行ないました.その象徴が九州大学「生物多様性ゾーン」です.キャンパスの建物群の北側に位置し,細流,草原,溜池,森林など箱庭的な生態系がそこには広がっています.

九州大学生物多様性ゾーンの歴史や詳細については下記を御覧ください.

多様性ゾーンには様々な野生生物が生息しますが,今回は両生類について紹介します.

カスミサンショウウオは九州の里山を象徴する生き物で,多様性ゾーンにも生息します(ただしサンショウウオ類の分類は近年細分化が激しく,このサンショウウオが真の「カスミサンショウウオ」かどうかは勉強不足でわかりません).1月から3月にかけて,多様性ゾーンの水たまりなどで容易にその卵塊を観察することができます.ただし成体は,その数の多さにも関わらず,なかなかお目にかかれません.雨の降った暑い夜などは,成体が道路などに出ているのでチャンスです.

生物多様性ゾーンのカスミサンショウウオ.その色合いは個体によって様々.

同じ有尾目では,アカハライモリも生息しますが,個体数はかなり少ないです.やや標高が低いためでしょうか.

生物多様性ゾーンでは珍しいアカハライモリ(麻酔で眠っています).お腹の模様に個性が出ます.

生物多様性ゾーンの下流側のやや富栄養化した溜池には,外来種のウシガエルが大量に生息しています.夏の夜などは,池のあちこちで鳴いているのが聞こえます.下記は多様性ゾーンで長時間録音したウシガエルの鳴き声です(サムネイルは関係ない佐渡ヶ島のウシガエルです・・・・汗).

1月から3月にかけてよく見かけるのが,産卵のため水場に集まるニホンアカガエルです.夏でも雨の降った夜などは容易に見つけることができます.

生物多様性ゾーンのニホンアカガエル.
新しくきれいなニホンアカガエルの卵塊.

このニホンアカガエル,鳴き声が独特です.アマガエルやヌマガエルの鳴き声のように,あまり聞き慣れていないせいでしょうか.

生物多様性ゾーンで録音したニホンアカガエルの鳴き声.

春から夏にかけて,よく見かけるのがヌマガエルです.九州では特に多く,どんなに劣悪な環境であれ,水田や湿地があるところでヌマガエルガいない場所はほとんどないといってもいいでしょう.

ヌマガエル(熊本県).

ヌマガエルとよく似ているツチガエルも生物多様性ゾーンに多くいます.ツチガエルは九州では良い湿地の指標種で,ヌマガエルと比較するとあまりお目にはかかれません.冬季湛水や有機農法の水田でよく確認できる印象です.

生物多様性ゾーンのツチガエル.ごめんなさい,倒木の下で冬眠中を起こしてしまいました.

カエルといえばこれ!のニホンアマガエルも生息しますが,ヌマガエルやツチガエルと比較するとなぜか少ないです.

ニホンアマガエル(福岡県)

一方で,トノサマガエル(九州では高標高に多い),シュレーゲルアオガエル(九州では山間の水田や湿地に多い),ニホンヒキガエル(深山に多い),ヤマアカガエル(九州北部では高標高の湿地に多い)は,今のところ生物多様性ゾーンでは確認していません.

いずれ,両生類以外の生き物についても紹介していきます.

文責・写真・動画:鹿野雄一

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