今津干潟@糸島半島

環境
今津干潟,カブトガニの若齢個体

九州大学がある糸島半島における象徴的な生態環境といえば,今津干潟でしょう.背振山系を水源とし,糸島平野を通って玄界灘へと流れる瑞梅寺川と周船寺川が形成する今津干潟は,様々な生き物の宝庫となっています.

今津干潟の生き物の中でも特に代表的なものが2種います.夏のカブトガニと冬のクロツラヘラサギです.いずれもいわゆる希少種ですが,今津干潟では比較的苦労なく観察することができます.

カブトガニは夏の大潮前後の夜,砂質の多い場所に行くと,交尾した雌雄を観察することができます.ときには浅いところまでやってきて,間近に観察するチャンスもあります.

交尾するメス(前方)とオス(後方),今津干潟にて

また,カブトガニは交尾中に大量の泡を放出するので,水が濁っていてもどこにいるのかすぐにわかります.東南アジアなどではカブトガニ(とはいっても別種のミナミカブトガニ)をよく食しますが,漁師たちはこの泡を目印にカブトガニを捕獲します.

冬のメインゲストはクロツラヘラサギです.クロツラヘラサギは世界的にも3000羽ほどしかいない希少な鳥ですが,今津干潟は日本の中でも重要な越冬地となっています.

今津干潟で羽を休めるクロツラヘラサギの群れ(飛翔しているのはサギ類).クロツラヘラサギの群れの中にヘラサギが混ざっていることもときどきあるようです.
越冬地である今津干潟から,糸島半島の水田地帯に遠征してきた個体.周船寺の水田にて.

また,クロツラヘラサギ以外にも,別の希少鳥ズグロカモメなどもよく見かけます.

今津干潟の上を飛翔するズグロカモメ(同定間違ってたらごめんなさい)

今津干潟の隠れたアイドル(個人的趣味)といえば,ハマガニです.夜行性のためあまり知られていないカニ類ですが,環境の良い干潟の指標種です(と勝手に思っています).海でも淡水でもなく,汽水に生息するカニ類で,ガンダムの敵キャラ的な風貌と色合い,そしてそのデカさが,クソかっこいい!としか私には思えません.何回かその大きな鋏に挟まれて流血しましたが,まったく憎めません.

今津干潟のハマガニ,大型のオス.甲幅60mmほど.

その他にも,ハサミシャコエビ(こちらもかなり魅力的),ハクセンシオマネキ,アシハラガニなどまだまだたくさんの甲殻類が生息します.

今津干潟のハサミシャコエビ,あまり知られていませんがなかなかクールな形態をした魅力的な生物です.
今津干潟のアシハラガニ,文字通り葦原にいます.カワイイ・・・

今回は今津干潟の鳥類と甲殻類を紹介しましたが,いずれ別の生物群も紹介します.スーパー普通種で「海ゴキブリ」なんて嫌われているフナムシなんかも,よく見ると,とても美しいんですけどね.

水中を器用に泳ぐ今津干潟のフナムシ

文責・写真・動画:鹿野雄一

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